静岡県庁における面談が、リアルタイム配信(!)

カテゴリー │リニア新幹線



実は、リニア新幹線の建設について、
やはり胸を痛めています。


国土交通省HPによると、
リニア新幹線建設について、
本日10時より、国土交通省において
JR東海へ「ご説明」、
17時より、静岡県庁において「ご説明」とのこと。


そして、静岡県庁における面談は、
静岡県HPのライブカメラでリアルタイムで配信(!)


私は仕事で観れなくて、残念です


https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo09_hh_000084.html





 

【リニア新幹線】南アルプスは、世界の雷鳥の南限

カテゴリー │リニア新幹線



おはようございます。
静岡県は浜松で綴っておりますこのブログ、
まこと5年半ぶりの更新です。




こちらよりお借りしました



実は、リニア新幹線の問題に
心を痛めています


というのは、数年前、
静岡大学浜松キャンパスでの
戸田三津夫先生のお話を伺いに行ったとき、


(このブログでも
「11/24 サイエンスカフェ」というカテゴリーで
連載してご紹介しました)



聴きにこられていた静大の先生が語られたのです。


「昔、東名高速道路が初めて浜松に開通したら、
泉町の池の湧水量が激減した」



と。


東名高速道路と、浜松市中区泉は、
直線で2.5キロほどの距離。
私にはとても衝撃的なお話でした。


それ以来、リニア新幹線の建設には、
ずっと心を痛めています。
ずっとはるかに、比べものにならないほどの
自然が失われるのでは、と。




こちらよりお借りしました




新東名高速道路の開通で、
静岡県掛川市では
滝が枯れてしまった
と、
掛川市森林組合さんのFacebookで知りました。


悲しすぎる。





静岡県民は、この問題外せない!


きのう、『れいわ新選組』代表の
山本太郎さんが、浜松駅北口でお話会をされ、
後半からでしたが、参加してきました。


太郎さんは
「時間が押し迫ってきたので、
れいわの『8つの緊急政策』の話をします」
と言った直後、


「そうや!静岡県はこの話外せない、
リニアの話!」



とのことで、
『れいわ新撰組の環境大臣』の
辻村ちひろさん (男性) が登場され、
とてもわかりやすいお話をしてくれました。


以下、記憶を辿った書き起こしです。


◇◇◇


僕は川勝知事とは
考えが相容れない部分がかなりあるが、
川勝知事はリニアの環境問題については、
とても真剣にやっている。
非常に孤独な戦いをしている。


是非、知事の心が折れないよう、
知事宛に手紙やメールなどを送ってほしい。


JR東海は、リニアの工事で
「1秒に2万トンの水が失われる。
でもそれは戻します」と言うが、
「全部戻します」とは言わない。
不可能だから。


南アルプスは、
1年に4ミリから6ミリ、隆起している。
これは地質学者も認めるところ。
これが、地震が起きるとどうなるか。


即座にメートル単位の高低差が起きる。
トンネルの中では起きないですよ、
でもトンネルから出た部分で、
これが起こり得る。


時速500キロで走ってる新幹線が、
このメートル単位の高低差にぶつかると、
乗員乗客は全員即死。


「そんなことは隕石がぶつかるくらいの可能性」
とJR東海は言うが、
3.11ではそのくらいの可能性、
と言われたことが起き、
あれだけの人々が被害を被った。


時代が良ければ、南アルプスは
世界遺産にもなれたかもしれない程の
重要な自然環境。
世界の雷鳥の生息の南限。


そういう重要な自然環境を壊して、
地下の水が抜けると、上は乾燥する。
乾燥すると植物が変わる、
そうすると雷鳥は生きていけなくなる。


そういう悪連鎖が
10年、20年以上の長いスパンで起こる。


南アルプスは皆さんの財産ですよ。
南アルプスの山々から流れ下ってくる
大井川、天竜川、
南アルプスからのそういう水があってこそ、
静岡は成り立ってきた。


その水が駿河湾に流れ込むから、
サクラエビが獲れる。


そういう自然の繋がりを壊すことを
リニア建設でやろうとしている。


これは是非、県民の皆さん、
是非声を上げてください。
リニアは、なんの得にもならないですから。



このお話の最後の54秒が、こちらの動画です
https://youtu.be/luf5mU1v3GA





皆がおだやかに
聴き入ってしまうのは、
なぜか


・・私感ですが、
15年くらい前、与党が大敗して、
野党第一党が華々しく政権をとったことがあったでしょう。


あのときは私、与党に投票しました(笑)


何故って、野党第一党はそれまで
与党のバッシングばかりで、
各分野の問題のリサーチとか、
具体的な案を練るとか、
そんなこと一切してなさそうだったから。


話をきのうの山本太郎さんに戻すと、


『国の借金』に関する私たちの誤解をときながら、
太郎さんが語られる
経済の立て直しを喫緊にした政策は、
庶民や中小企業、地方の切実な視点に立った、
すぐにでもやって欲しい!と思う、
具体的なものでした。


集まった皆さんが
おだやかに聞き入ってしまうのは、
真摯さが伝わるから。


『殺されてもいい』
という覚悟でやってらっしゃるそうです。


以下、そのほんの一部、
記憶からの書き起こしです。




僕は、
この国をこういう国にしてきた
自分自身に怒っている


地方が活性化することが、一番の安全保障。
大地震が起きて
主要都市が連鎖的に機能しなくなった場合、
東京以外の、島根でも青森でも
日本海側の都市でも、
東京に替わって日本を維持していけるようにする。
それが、一番の安全保障だと思いませんか。


そのために、
地方が経済的に活性化することが必須。


国の保障で、
全国一律1500円の賃金にすることが可能。

消費の罰のような消費税をやめて、
大企業優遇の税制をやめ、
毎年ごとの収益に合わせた税制にすれば、

(↑これは具体的に話してくれました)
それが可能。
中小企業にも無理はかからない。


そうすれば、地方でも仕事が増える。
大都市圏でわさわさ高すぎる家賃を払って住まなくても、
地元に住んで、
時々東京に遊びに行けばいいか〜、
ってなる。


太郎さんが国会議員だったとき、
参議院の予算政策室に

(注・名称の↑↑記憶が曖昧ですみません)
当時8パーセントだった消費税が
廃止されたらどうなるか、
試算を頼んだ。


その結果、


一度物価が下がる
⬇︎
購入が増える
⬇︎
それにつられて物価も上がりつつ、
3年後に景気はよくなる


という試算が出た。
れいわが政権をとったら、
これをすぐにやりたい。


僕は、この国をこういう国にしてきた
自分に怒っている。


芸能人は、大企業のCMに起用されれば、
当時の僕クラスでも、
1本出れば、年間契約のギャラは2000万。


大企業に気に入られてナンボ、だから
企業の気に入らないことは言わない。


だから、
芸能人に政治的な発言を求めても無理。



だから、

スポンサーなしでは成り立たない
テレビやマスコミに、
「本当のことを報道してほしい」
なんて甘い期待をしてはダメなんです。


あなたの一票では政治は変わらない。
投票権を放棄している人が、50%いる。
投票に行かないひとを
口説かなければいけない。
どうか、周りの人に広めてほしい。




◇◇◇


この浜松でのお話会の全体の様子は、
YouTubeにも上がっています。
ご関心のある方は、ぜひご覧ください。





 

02 ぷるんと美味 【浜名湖の牡蠣】

カテゴリー │浜名湖・牡蠣養殖を知る

お昼をいただいた後は、牡蠣屋さん見学へ。
舞阪には牡蠣の卸業者さんは、30軒ほどあるそうです。
そんなにたくさんあるとは!



「舞阪養かき組合」のそばにある水揚げ場。
この石畳は、なんと江戸時代から残るものだそう。
毎朝、水揚げした牡蠣をリヤカーに乗せて、
この斜面をポンポン(50ccバイク)で引き、それぞれの牡蠣屋さんへ運ぶのだそうです。




リヤカーぎりぎりの道幅の路地の奥に、牡蠣屋さんが。
土曜日なので、作業は午前中のみ、ということで、
パートのお母さんたちが数人でテキパキ牡蠣むきされる様子は見られませんでしたが、
おかみさんが、ほかほか出来たてのカキ蒲で歓待してくださいました。




これ、美味しい! 大人気。
醤油と、砂糖かみりん、日本酒で、
生の牡蠣をさっと数分炒めるようにするだけ。
牡蠣の出汁がしっかり。
ぷりん、としてます〜♪
これを白ごはんの上にのっけたら、「かき蒲丼」ですね。。
(あぁ、食べたい♪)



息子さんが、牡蠣むきを実演してくださいました。
舞阪と新居では、牡蠣のむき方が違うんですって。
この牡蠣むきのプロ用出刃は、ウン千円するそうです。
「一度ためしに、100円ショップのを使ってみましたけど、すぐ欠けました」って。



こんなふうに、舞阪の裏路地に、静かに牡蠣屋さんが点在しています。
今季の牡蠣のシーズンは「今月の23日くらいまでかな」。
午前中に訪ねていけば、小売もしてくださるそうです。


ご一緒したみなさんとも一体感がでてきて楽しいですが、
舞阪文化センターに戻り、解散。
ありがとうございました。


海抜2.8mって。佐鳴湖北岸は2.6mなんです。。


解散後、缶コーヒーを飲んだのですけれど。
しばらくして、缶コーヒーの味が口の中から消えた後、
牡蠣屋さんでいただいた、牡蠣蒲の味がゆったりと口の中にひろがるんですね。

浜名湖の牡蠣は不思議です。




でも、いちばん心に残るのは、舞阪の皆さんの熱意。
どこか飄々と案内してくださった、「はまなこ里海の会」のKさん、スタッフの方はじめ、
漁業長さん、遊船組合長さん、
お昼を作ってくださったお母さんたち、
牡蠣屋さんのおかみさんと息子さんたち、皆さんから、
「浜名湖を楽しんでほしい、
是非もっと知って欲しい」という、
素朴でやさしい熱意を感じました。
地域の力ってすごい。。
ありがとうございました。


こんな充実したイベントが、参加無料なんですよ。
平成25年度の活動はこちら。
水産庁の助成を得て、さらに2年間、
平成27年度まで継続するそうです。
是非、参加してみてください。

そして弁天島の潮干狩り、
GWには期間限定で復活するそうです。
祭りもいいけど要チェック!!



【番外編】
拾ってきたカキ。
トンカチでいらない殻を打ち砕き、金だわしでゴシゴシ。
う〜ん、やはり海藻が残り、このくらいが限界。
牡蠣屋さんの店先に黒々と積みあがっていた養殖もののようにはいきません。。




「ふわっとラップをかけて、電子レンジで1個あたり2分」
と教わったけど、
オーブンレンジが牡蠣殻を金属と認識して働いてくれず、
フライパンで蒸すことにしました。
1センチほど水を入れて(やや入れすぎ?)、沸騰してからブクブクと5分蒸しました。


開いた☆
11個中、8個開いたよ。






。。。ぷるんとして美味。。。
小さなカニさんも入っていました。
この写真じゃ、美味しさが伝わりにくいかな?
でも、味に正直な家族も「おいしい☆」と即答してました。

牡蠣さん、ありがとう。
ごちそうさまでした!


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01 石のようにゴロゴロと 【 浜名湖の牡蠣 】

カテゴリー │浜名湖・牡蠣養殖を知る

先週3/15土曜日、「NPO法人 はまなこ里海の会」主催のイベント、
「浜名湖の恵み・カキ養殖を知る」に参加してきました。


集合場所は、舞阪文化センター。
弁天の海っぺりに立ってます。



3階大会議室より。
舞阪文化センターは、老朽化のためこの3月で取り壊されるそうで、
この日は「お別れの会」が開かれていました。



てっきり、カキ養殖の見学会だと勘違いしていたのですが、
浜名湖のカキを拾う体験会だったんですね。
そういえば、「はまなこ里海の会」のモットーは
「楽しく体験して知ってください」でした。
失礼しました☆



浜名湖はほどよく富栄養化しているので、
とても良いカキが採れるそうです。
鍋に入れても硬くならず、ぷるん、としているんですって。
なので、浜名湖産の養殖牡蠣は、
ほとんど浜松の市場には出回らず、
築地や大阪など、高級料理店に出荷されるそうです。


浜名漁協の組合長さんいわく、
「そういった養殖からこぼれたカキだけではなく、
天然のカキもいると見ています」とのこと。
をを、わくわく。





というわけで、大人も子どもも、
漁師さんが着るような「胴長」と軍手をお借りし、
「チャカ舟」に乗せていただき、弁天島の北の瀬へ到着。



浜名湖内の漁に使う平たい舟を、「チャカ舟」と呼ぶそうです。
東京湾の漁師さんは「チャコ舟」と呼ぶそう。



胴長をお借りしたので、
いくらか水に漬かりながら採るのか、と思いきや。





干潮の干潟に、
カキはゴロゴロ、ゴロゴロとしているのでした。


案内してくださったベテランリーダーのKさん、
「車で走っている人はみなさんを見て、
『なんで石を拾ってるんだろうなぁ』って思うでしょうね(笑)」


まったくだ(笑)
牡蠣が拾える、なんて、知りませんもんね。





白っぽいカキは死んでいるカキ。
海藻がついて黒いカキは、生きているカキ。

カキって、単体じゃなくて、いくつかくっつきあってるんですね。
死んでしまったカキの殻もくっついたりしているので、
そういうものは、石や、転がっているカキ殻にぶつけて外します。
ひゃっほー、ストレス解消しながらカキがとれるなんて!



右の生きてるカキふたつの左に、死んで開いたカキ殻が幾つかくっついてます。
そのそばには、小さな巻貝がいくつも。



あら、手で外そうとしたら、殻がとれちゃった。
どうしましょう。





このままにしておいても申し訳ないし・・・、
つい、つるっとそのまま食べてみました。
(マネしないでください。必ず火を通してください、とのことでした☆)
柔らかくて新鮮。
でも、あとから考えるに、もう力尽きて寿命寸前のカキだったんじゃないかなあ、
女手で空いちゃうんですもんね。


もう、ホントに、石のようにゴロゴロと落ちているので、
みなさん、たくさん拾っていましたよ。
最初に「舟まで自分で運べる分だけ採ってくださいね」と
繰り返し言われたわけがよくわかりました。





これ、海苔養殖の網。
はじめて見ました。
昔は、この網から手で海苔を摘んでいたそうですが、
最近はこれを専門のバキューマーで吸い取り、
海苔以外の海藻を取り除いてから、板海苔にするそうです。
バキューマーで採ると、海苔の種がほどよく網に残るので、
1シーズンに3回ほど採れるそうです。





海風と景色を楽しみながら弁天島海浜公園に戻り、
胴長と軍手をお返しするとき・・、
ふわっと、先ほどのカキの柔らかい甘みが口の中に広がりました。
不思議。


これは、或るおとうさんと坊やが採っていたぶん。
両手で抱えなければ持てないほど採ってらした方もいましたよ。




舞阪文化センターに戻ると、
「浜のレディース」こと、
漁師のおかみさんたちが用意してくださったお昼が。





漁業長さんみずから開けてくださる蒸したての牡蠣! 



でかい!





早速みんな続々と並び、いただきまーす!
メニューを紹介してくださった
「浜のレディース」代表のお母さんの
自然で温かい物腰に、内心、心を打たれました。。


メニューは
浜名湖産・牡蠣の殻焼き(養殖もの=高級)
遠州灘産・生シラスの天ぷら
遠州灘産・かますの干物
浜名湖産・あさりの味噌汁
伊達巻(酢飯でなく、白ごはんで)


どれも美味しかった!
お子さんとリピート参加の若いおかあさんが
「美味しいですよね。
あちらの調理室におかみさんがいるから、
シラスの天ぷらの揚げ方、教えてくれますよ」って。
以前教わって、時々漁師さんからもらうと、作るそうです。


つづきは明日、お届けします。
江戸時代から続く石畳も登場。


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愛ある工事看板

カテゴリー │空・鳥・水 

佐鳴湖北岸、新川のであい橋から河口付近は、
カメラマンの皆さんのカワセミポイント。
カワセミを狙って立派なレンズと三脚がずらりと並ぶのは、馴染みある光景です。



こんなふうに、カワセミが餌をとりに訪れ、タヌキの家族も住んでます。
静岡大学の艇庫予定地が変更されたお蔭で、
この春には、カルガモファミリーも2家族見られました。




昔はもっとカワセミがいたそうです。
北岸公園のあたりにも沢山いたけれど、北岸公園が出来たら、
ここにほんの数えるほどだけになってしまった‥、
と複数の方から伺いました。





で、このカワセミポイントの対岸の堤防の上に遊歩道がつくられて、
今までは立入禁止になっていました。
だから、カワセミやタヌキたちも安心して住んでいられたのですね。




この遊歩道が開放されたら、
カワセミやタヌキたちの安息の場所に立ち入る人が出てこないだろうか‥、
と心配する声が、以前から出ていたのですが、

先週金曜日の雨の中、このような柵がつくられて、




今朝、こんな看板を発見!



なんとも優しい、
愛のある看板ではありませんか。


思わず、この工事の現場監督さんに突撃インタビューしてしまいました。



「人間のわがままが異常気象を引き起こし、
その異常気象から人間のわがままを守るために、
こういう堤防工事が必要になっている。
僕は自然が好きなので、
仕事をしていて、胸が痛むことはよくあります。

北岸の遊歩道は色んな人が通ります。
去年の秋、通行調査をしたら、平日の朝9時〜5時で、
片方向だけで1000人以上の人が通りました。
往復する人も含めたら、もっと多かったと思うし、
今はもっと増えてると思います。

でも、通る人全員が新聞を読んでいるわけではないし、
佐鳴湖のことを知らない人も多い。
健康のために走っていて、
環境問題には関心がない人もいると思う。

一人でも多くの人にアピールするために、
どんな言葉にするか、すごく考えました。

また、どんな風に自然が残っているのか、
『見て』もらうことが大事。
見てもらえば、知ってもらえますから。

だから、通る人と自然とを遮断するのでなく、
「ここにはこんな自然があるんだ」と
『見て』『知って』もらえるように、
すごく考えました。

また、柵の下をタヌキが通れるように、空間を空けました。」


会社の心意気で、自前で作られた看板だそうです。

こんな工事の看板、見たことありますか?
全国でも珍しいんじゃないでしょうか。

感謝!


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ヨシ再考

カテゴリー │ヨシ

前記事で、楽しかったヨシ(葦)刈り参加を書きながら思ったこと。
お付き合いいただけますか。



誰もが良かれと思って、佐鳴湖にヨシの植栽がされてきましたが、
新しくわかってくることって、何にでもありますよね。


前回もご紹介しましたが、
先日の静大工学部での「サイエンスカフェ」で、
戸田三津夫先生が
「ヨシは、窒素とリンは地下茎に入れて、枯葉には残っていません。
だから、枯れてからではなく、青々とした葉を刈るのが理想的です」

とおっしゃっていました。こちらの記事です

ですから、
試験的に、何年間か、ヨシが青々としている時期に刈ってみて、
水の数値や湖底の状態などを比較してみるのもいいかも知れませんね。


また、何回かご紹介していますが、
今年8月、佐鳴湖とその周囲を視察して講演された
東京大学の山室真澄先生は
「ヨシは目に見えて腐ったのち、完全に分解するまで3年かかり、
湖底のヘドロ化の原因にもなる。
明らかにシジミに悪いので、
宍道湖では10年間続けたヨシの植栽を今年で中止した」
と。

驚きました。
佐鳴湖の環境改善に永年ご尽力くださっている方達も、
カルチャーショックを受けつつ、
深く納得しておられる様子でした。

講演会でも見せてくださった最新情報が、
山室先生のブログにも紹介されています。
ヨシの威力?|Limnology-水から環境を考える




昨日ご紹介した、11/9(土) の佐鳴湖南岸のヨシ刈りでの様子。
ヘドロ化だけでなく、
ヨシの根元には、どんどん土が堆積していくんですね。
湖底より20センチ近くあるような。。
これも自然の力強さ、迫力ありますね。


30年以上佐鳴湖のそばにお住まいの木下孝司さんは、
ご自身のブログ 『佐鳴湖百景』 で、
「2010年末、新川河口に人工的に作られた佐鳴湖の干潟は
葦に覆われ、泥に埋まりつつあります。

と記されています。
揺れる葦の足下 / 佐鳴湖百景

木下さんが撮られた、2011年1月2日の新川河口付近の様子。

新しい道 / 佐鳴湖百景

昨日、ほぼ同じ地点で撮ってみました。


ここも先日、業者さんによるヨシ刈りがされましたが
水路の半分以上がヨシ(葦)で覆われている部分も多くあります。



また、当ブログは、佐鳴湖のそばに39年住む家族の
「佐鳴湖に唯一残された自然湖岸を残して欲しい」
という思いから始まりましたが、その本意のひとつは
「自然保護を検討せずに人工的な建造物をつくるのはお止め頂きたい」
という願いです。

ですから、今年8月の佐鳴湖のみらいを育む会」議事録の2ページ目に記されている、
「動物たちの習性を細かに踏まえた上で、ヨシを刈ることは必要」
とするメンバーの方々のご意見に、
ご教示をいただいた思いで納得しております。

(「佐鳴湖のみらいを育む会」の議事録は、定期的に、
佐鳴湖地域協議会のHPに公開されています。)


誰もが「ヨシは水を綺麗にしてくれる」と思い、
「良かれ」と思ってしてきたことなので、
誰かが悪者になる必要はありません。

佐鳴湖クリーン作戦にしても、ヨシ刈りにしても、
行政のみなさんも含めたこれだけ多くの方が、
佐鳴湖に心と行動を寄せていらっしゃるのを知った今、

是非、みんなでヨシへの取り組み方を考えてみませんか、
とお伝えせずにいられません。




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ヨシ刈りに参加しました

カテゴリー │ヨシ

先週土曜日(11/9)、佐鳴湖のヨシ狩りに初参加しました。



台風で当初の予定より2週間後に変更になったため、
残念ながら小中学生の参加がなく、
全体的にいつもより少ない人数だったようです。
それでも、一般の参加者や企業のCSR活動で参加された方に加えて、
県土木事務所や入野漁協さんなどの他、
佐鳴湖北岸の工事スタッフさんも加わって、頼もしい集まりでした。

浜松水辺を愛する会の方たちが、
ヨシ笛作りと、カメたちの違いの展示をしてくださっていました。
4種のカメの見分け方、しっかり教わりました。(^^)



開会式では、参加の各団体から選りすぐられた方による
「ヨシ刈り劇団」が、佐鳴湖の生き物に扮し、
ぶっつけ本番でヨシ刈りが佐鳴湖に果たす役割を説明。
体当たりで大奮闘!



ラジオ体操で身体をほぐしたあと、4つの班に別れて、分担。
はじめてでも大丈夫、ヨシ刈りのコツを実演して教えてくれます。


初参加の県土木の方が、あまりよくない例を担当

企業のCSR活動でリピート参加の方が、よい例を担当


刈ったヨシは、再利用のために束ねます。
機械でウィーンと刈っていくと、束ねにくくなるので、手刈りです。



水辺までざくざく刈りすすめていくと、
こんなふうにヨシの小さな「島」が見えてきます。


ヨシの根元にぎっちりと土が詰まっていました。
「ヨシの根元にこんなふうに泥が堆積していくんですね!」
とスタッフの方が驚きの声をあげてらっしゃいました。



刈ってわかる、ヨシの根元にいろいろとゴミが。
(昔はソファーとか50ccバイクなどの大物が出たこともあったそうです。)
ペットボトルとお菓子の袋が多い。
何故かマンダムのコロンの空きビンなぞも。
今回はジュースなどの缶は少なかったようです。

ちまちまと落ちている袋の切れ端、ビニールのゴミ、
ペットボトルの蓋なども視覚的ノイズなので、
ふだん拾えないぶん、いそいそと拾いました。
(うう、いつもごみ袋を持ち歩いて、時間にゆとりを持って行動すればいいんですよね。。 )



もちろん休憩も充分に取りながら、
無駄なくさくさくと進行していきました。


先日、静大工学部での「サイエンスカフェ」で、
戸田三津夫先生が
「ヨシは、窒素とリンは地下茎に入れて、枯葉には残っていません。
だから、枯れてからではなく、青々とした葉を刈るのが理想的です」
とおっしゃっていたので、こちらの記事です
試験的に、何年間かは青々とした時期に刈ってみて、
水の数値を比較してみるのもいいかも。。


途中休憩時の岸辺。



後半の岸辺。



広々したところで作業するのも、
そこが目に見えてサッパリしていくのも気持ちよかったです。

この日の午後は、はまなこ環境ネットワーク主催の
浜名湖ラムサール条約シンポジウの見学会に参加したかったので、
私は早退させていただいたのですが、
このヨシ刈りの様子、いつも自転車で佐鳴湖一周されている sunboyさんが、
一部始終をスカッとまとめてくださってます。
今日は佐鳴湖でボランティアの皆さんで葦狩りの日でした・・・/
Sunboy Freeflight on Twitter



広い空の下、とっても良い汗をかきました。
来年もまた、参加したいと思います。


皆様、心よりありがとうございました!


そして‥、ヨシについて思うことを明日UPしようと思っています。
ご覧いただけましたらとても嬉しいです。


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【3】だんだん増える段子川

カテゴリー │10/24 サイエンスカフェ

10/24、静大工学部での「サイエンスカフェ in はままつでの、
戸田三津夫先生のお話、盛りだくさんなので
全4連載にしてお送りします。

また、前回、前々回記事とも戸田先生にご覧いただき、
誤りをご教示いただきましたので訂正しました。
どうぞご確認くださいませ。




さて、戸田先生は、かねてから段子川の水の状況を調べておられるのですが、
その調査を支える、安定同位体利用の説明。
淡々と快活で暖かく、とてもわかりやすいお話ぶりなので、
文系どっぷりの頭でも、わかったような安心感に浸ってしまい、
ハタと我にかえるのでした。



山の上で降った雨の水か、
海に近いほうで湧いた水か、だいたい区別できる方法があるそうです。



佐鳴湖流域。
分子が重い水か、軽い水か。
水道水は軽いそうです。
(傾いた写真で失礼します)


佐鳴湖の各河川、
段子川、新川、権現谷川の水の分析値。
新川、権現谷川の水よりも、
段子川の水は分子が重く、重さにかなり幅があるのだそうです。


各河川の流程と安定同位体比。
ピンぼけで申し訳ありません。


そこからわかってきたことは、
段子川は起点では流量も少ないし、
水道水に近い、「分子が軽い水」なのに、
流れていくあいだに流量が増える。
それは、安定同位体の分析からも、
湧水が流れ込んでいる、と言えるのだそうです。


なので、

段子川がコンクリートの3面張りになっている泉地区も、
和合町の「主婦の店」付近から下流のように、川床は開けるべきでは、
という提案をされたそうです。


「主婦の店」の東側では、自然のままの川底が見えます。
(夕方に撮ったので、やや暗くてごめんなさい。)


やや下流の、権現谷川との合流点近く、富塚幼稚園付近では、こんな感じ。



川底に穴をあけよう”


そうすれば、佐鳴湖へ流入する水量が少しでも安定して増える、

ということですね。



ピンぼけですけど、標高と湧水地点の関係。


権現谷川起点のそばにも、泉地区にも、湧水ありますね!
昔は、泉地区に「お池」と呼ばれて親しまれた池があって、
東名高速道路が開通したのち、枯れてしまったそうですが、
まだこれだけの湧水があるとは。。
嬉しいかぎりです。

また、不思議だったのは、権現谷川の調査の結果。


権現谷川の上半分の水質は、実はホタルには向いていないようだ、とのことでした。
不思議ですね。
樹々が豊かで水がきれい、っていう印象があるんですが、
ホタルに向いてない水、ってあるんですね。

ですから、権現谷川の下半分の「ホタルの名所」とされているところも、
実はホタルは少ないそうです。

(でも、権現谷川の自然を守ろう、という気持ちから
「ホタルの名所」と指定されたことは間違いありませんよね。)


そして、戸田先生が今年8月に行った実験。


段子川の起点である、小豆餅の藤屋さんから
食塩水を地道に段子川に流し、
下流で採水して塩分濃度を測定し、水量を見積もったとのこと。


実験の結果はこちらです。



この地図の原本はこちらです

さて、起点の藤屋さんの駐車場を借りて朝7時に放流した食塩水、
藤屋さん

段子川と権現谷川との合流点
(つまり、権現谷川の終点)に流れ着いたのは何時だったでしょうか?
段子川は全長5170m。
権現谷川との合流点までは、約4キロくらい?





大きな地図で見る
(右上手から蛇行して流れてきた段子川に、冨塚幼稚園(向かって右手の建物)のそばで、
左から権現谷川が流れ込むのですが、)


なんと、夜7時ですって。12時間かかるなんて。
途中で溜まって止まるところがあるようだ、とのことでした。
(実験、大変だったでしょうね。
天気を選ばなければいけないし、酷暑で、蚊がいる時期なのに。)


次回最終回も盛りだくさん、佐鳴湖に住む生き物たちについて、などなど。

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【2】串カツ・透明人間・ピタゴラスイッチ

カテゴリー │10/24 サイエンスカフェ

10/24、静大工学部で行われた「サイエンスカフェinはままつ」での
戸田三津夫先生(静岡大学大学院・工学研究科)のお話、続きです。




戸田先生のお話
「佐鳴湖は、水からも、湖底の泥からも、
(ダイオキシンやカドミウムのような)
有害物質が検出されたことはありません。

”佐鳴湖の魚を食べたら死んじゃうんでしょ?” という人が未だにいますが、
もしそうなら、佐鳴湖のまわりには、
魚を食べたカワウたちがばたばた死んでいるはずです。(笑)

佐鳴湖の魚を食べても全く問題はありません。
佐鳴湖のハゼ、冬のフナは美味しいです。
スズキは少し水っぽいですが、塩分濃度が薄いからしかたないですね。


汚れは「有機物」であって、
「水替えをしなくて、餌をやり過ぎの金魚鉢」の状態なんです。
濁りの半分はプランクトン、残りは土です。」




‥「人間の都合でこうなった」、うむ。

下水道の普及率が9割である現在、
大きな原因は、生活排水ではないのですね。
  【訂正】
  「生活排水は主原因でないのは何とも言えないところです。
  10%と言っても、結構負荷になっているはずです」
  と戸田先生よりご教示いただきました。
  詳しくは、この記事末尾をごらんください。

”人が肥料を捨てて、植物プランクトンが目を覚ます”

庭や畑に使う肥料が、雨で川に流れ込み、
浜名湖や佐鳴湖の汚濁の原因になっているようです。


  (8月に、佐鳴湖とその周囲を視察し、講演をしてくださった
  東京大学の山室真澄先生は
  「佐鳴湖には植物プランクトンは多いが、何故か動物プランクトンが少ない」
  と仰っていたのですが、
  肥料の流れ込みが多すぎて、植物プランクトンが増えすぎているのかな??)


だから、浜松市では、こんなチラシを配っているそうです。

◎農地や家庭菜園で肥料を使われる皆さまへ◎
(クリックすると大きくなります)
「浜松市では、浜名湖や佐鳴湖の水質浄化をめざして、
下水道の整備や合併処理浄化槽の設置、
工場の排水規制などを進めておりますが、
猪鼻湖や庄内湖の全窒素濃度は、環境基準値を上回っています。
この要因の一つとして、農地や家庭菜園で使われた肥料成分が、
地下水に溶け出したり、降雨時に土壌と共に流出したりすることによって
湖内に流入していることが考えられます。
浜名湖や佐鳴湖の水質改善のため、
皆さまにも肥料の使い方や土壌の流出の抑制にご協力をお願いします。」


「広報はままつ」2013年2月号にも、同様な呼びかけがありました。

また他にも、検索してみると、こんな素敵な記事もありました。
猪鼻湖をみかんがきれいにする日 / エコノワマガジンVol.5


戸田先生の話に戻りまして、佐鳴湖をワーストと位置付けた、
「COD」で汚れを測る原理は?


「串カツの勘定を、串の本数でするようなものです」
おもしろい!


そして、有機汚濁指標CODとは?


汽水に適用するには問題があるかもしれません とのこと。

東大の山室先生も、
「CODが高いのは汽水湖ではあたりまえ。
汽水湖は環境基準の達成率が低いものです。
ですから、CODよりもTOCを採用すべき、と環境省に働きかけています」
 
と仰っていました。
(TOC とは、まもなく、戸田先生のご説明に出てきます。)


そして、測定の原理‥


面白いですねー。こんなこと考えたことなかった!


でも‥


おもしろい(笑)
串の数を数えるのに、いくつか方法があるんですね。
(‥しかし、かぞえもれが出やすい方法なら、変えてはどうでしょう。。)
東大の山室先生が、CODよりも優先すべき、
と環境省に働きかけているTOCとは、こういう調べ方なんですね。


そして、佐鳴湖は何故汚れるか?


植物プランクトンの元素構成は
C:N:P = 106:16:1
C(炭素)が圧倒的に多くて、N(窒素)とP(リン酸)は少ない。
つまり、
N(窒素)とP(リン酸)はもともと自然界に足りないもの。
人間が住むと、畑や庭に撒かれた肥料が川に流れ込み、
これらが供給されてしまう。


つまり、


戸田先生のお話
「自然界ではリンと窒素は欠乏していて奪い合いです。
なので、コナラは、秋にドングリや葉を落としますが、
その中にはリンと窒素は含まれていません。
リンと窒素は、ちゃんと木の本体に残してあるんです。

  【訂正】
  「落ち葉や枯れたアシに
  リンや窒素がほとんど含まれていないのは正しいですが、
  ドングリには豊富に含まれています。
  それは、子孫を増やすために初期投資が必要だからです。
  支度金のような形で種子や地下茎、むかごなどには
  貴重な養分が振り分けられます」
  と戸田先生にご教示いただきました。

ヨシも、窒素とリンは地下茎に入れて、枯葉には残っていません。
だから、枯れた葉を刈り取ってもあまり意味がなくて、
青々とした葉を刈るのが理想的です。」


うーーむ。
(それでも、11月9日のヨシ(葦)狩りは参加したいと思っています。
未経験なので。)

N(窒素)とP(リン酸)はもともと自然界に足りないもの。
人間が住むと、供給されてしまう。

というわけで、
人間が住むと、「ピタゴラスイッチ」のように、
佐鳴湖の汚濁機構がぴこーんと起動しちゃうんですって。



(右下~下中央が見にくくなっていますが、

多すぎる有機物生産
メタボ状態
濁った水、高いCOD
肥料があればスイッチオン!
大暴れ

と書かれています。
戸田先生の表現、ユーモラスで味わい深し。)

「佐鳴湖の濁りは、水替えをせずにエサをやりすぎの金魚鉢状態」。
どんなエサかというと、肥料に含まれるリンや窒素。

ということですね。


COD指標の問題点も示されました。



そして、佐鳴湖のヨシの植栽について。


東大の山室真澄先生も、

「その湖・その場所の本来の植生に戻すことが大事。
ヨシは眼に見えて腐ったのち、完全に分解するまで3年かかるため、
湖底のヘドロ化の原因にもなる。
宍道湖では、昔は砂地だったところにヨシを植えたら湖底のヘドロ化が加速。
明らかにシジミに悪いので、10年間続けてきたヨシの植栽を今年で中止した。

琵琶湖では、ヨシはもともと川辺や河口に生えていた。
琵琶湖の湖岸は、9割が砂地だったのに、
わざわざ本来生えていなかったところにヨシを植えるのは、環境破壊だと考えます。」


とおっしゃっていました。


このサイエンスカフェ・レポート、
今回は盛り沢山(!)になってしまいましたが、
次回は、戸田先生がかねてより探り出した、段子川の秘密について。

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【訂正と補足】
戸田先生より、生活排水とドングリについてご教示をいただきましたので、
本文に訂正・追記しましたが、
生活排水についてご教示いただきました全文を以下にご紹介します。

***
生活排水は主原因でないのは何とも言えないところです。
都市のインフラの整備効率と未接続に対する罰則がないこと、
居住者の事情(経済状況や建替えを検討中など)により
下水道捕捉率は100%にはなりません。
10%未捕捉と言っても結構負荷になっているはずです。
ただ、捕捉しやすい点元(発生地が絞れる)に比べて、
面源(発生地が農地などで広い)負荷の対策は困難で、
そのウエイトが総体的に増していることは確かだと思います。
***




 

【1】ぼくらは、きみを誰と比べているのか

カテゴリー │10/24 サイエンスカフェ

【段子川をブラタモリ】シリーズがおあずけになっていて、失礼しておりますが、
10/24、静大工学部での「サイエンスカフェ in はままつ」に行ってきました。




最初にお話ししてくださった、橋本岳先生の
市販のコンパクトデジタルカメラを利用しての
3次元計測のお話、興味深かったです。

現・静岡市の由比町は、山が海に迫っているところに重要な交通が走っていますが、
その山は雨のたびに膨張して、
そのために山肌のブロックがずれて、崩れの原因になるんだそうです。
その変化を察知・記録するためのシステム構築のお話。



アルゼンチンの氷河の計測にも使われ、医療への応用も開発されているそうです。


そして、次にお話してくださったのは、
佐鳴湖の水質改善に永年取り組まれている、戸田三津夫先生。
素朴で快活で暖かく、とってもわかりやすい語りで、楽しかったです。
ブログ掲載にご快諾をいただきましたので、ご紹介します。
(プロジェクターを撮影した画像がいまいちですが、ご海容ください。)




佐鳴湖は小さいけれど、実は、浜名湖に次ぐ県下2番目の湖なんですって。
それに、静岡県に、ダム湖でない湖は、浜名湖と佐鳴湖だけなんですって。
ご存じでした?

【訂正】静岡県内の自然湖は、伊豆半島の一碧湖もあるそうです。
Wikipedia 日本の湖沼一覧



三方原台地が手の指のように広げている台地の
あいだの谷に流れ込む湧水を、砂州がせき止めてできたのが佐鳴湖。
湧水は2層になっているようだ、とのことでした。



昔は、佐鳴湖の周りは水田と山ばかり。
現在は、佐鳴湖の周りはすべて住宅地。



でもね、国内の湖沼を見てみましょう。
支笏湖、洞爺湖、倶多楽湖、猪苗代湖、十和田湖など、
きれいだ!と言われている湖は、森に囲まれているんです。
周りに住宅街はないのです。




支笏湖には去年行きましたけれど、
苫小牧の市街地から
森の中の一本道を30分ほど車でぶっ飛ばしたところにあり、
周りに住宅地はなかったですね。
お土産屋さんとホテル、温泉だけでした。



国立公園のなかにある湖と佐鳴湖を同列に比べているんですね。。
条件が違いすぎるのに。
佐鳴湖に申し訳ないっ。



佐鳴湖は、「COD値が高い」ことで、2001-2006年に全国ワーストだったのですが、
これは、全国にあるすべての湖のCOD値を測ったわけではないのです。
環境省が測ることにしている湖のなかでは、という数値なんですって。



どんな湖を測っているのか、については、
H24年末に公表された、環境省の
「平成23年度公共用水域水質測定結果について(お知らせ)」の中の
PDFの98ページから掲載されています。
http://www.env.go.jp/water/suiiki/h23/full.pdf
佐鳴湖は100ページに掲載されています。

佐鳴湖は、天竜川のように大きな川が流れ込んでいないので、
流入水量が少ないのが、大きな弱点。

また、水質が短期に激変、というのは、
大雨のたびに湖水が入れ替わるのだそうです。
ハゼ、スズキ、クロダイなど、海水魚が雨のたびに逃げていくのだそう。

そして、周辺住民の大勢は佐鳴湖に無関心だと。(うーむ)

また、佐鳴湖の上流の下水道の整備率は約9割なのだそうですが、
この整備率9割、というのは驚異的な普及率なんだそうです。

富塚町の弥生団地のような、開発された住宅地であれば、
下水道を引かなければいけない立地だけれど、
古くから川に密接した立地のところは、まだ下水道が整備されていない。
ですから、流域人口17万人のうち1割、
つまり1万7千人の下水が流れ込む計算になるのだけれど、
実はそれは、人口密度が低いところ(つまり過疎地域?)と同じ程度なのだそうです。

だから、佐鳴湖には生活排水はほとんど流れ込んでいない、ということですね。

そうですよね。
新川、権現谷川、段子川と歩いて見てみましたが、
佐鳴湖に流れ込む川の水は、どれもきれいでした。
(twilogの9/11をご覧ください。)

段子川は「さわやか」富塚店のそばの橋で、
こんなにきれいな日があるんですよ。
水が澄んで、川底が見えるでしょ?
美しさが写真では表しきれないのがとても残念ですが。


(9/12撮影)

そして、
佐鳴湖に生活排水がほとんど流れ込んでいない現在、
佐鳴湖の汚れはなんなのか?

佐鳴湖がワーストと言われた「COD値」は、
果たして、佐鳴湖を評価するのに適した基準であるのか??


などを、戸田先生がどこまでも淡々と暖かく解説してくださる次回へ続きます。


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