【1】ぼくらは、きみを誰と比べているのか

カテゴリー │10/24 サイエンスカフェ

【段子川をブラタモリ】シリーズがおあずけになっていて、失礼しておりますが、
10/24、静大工学部での「サイエンスカフェ in はままつ」に行ってきました。




最初にお話ししてくださった、橋本岳先生の
市販のコンパクトデジタルカメラを利用しての
3次元計測のお話、興味深かったです。

現・静岡市の由比町は、山が海に迫っているところに重要な交通が走っていますが、
その山は雨のたびに膨張して、
そのために山肌のブロックがずれて、崩れの原因になるんだそうです。
その変化を察知・記録するためのシステム構築のお話。

【1】ぼくらは、きみを誰と比べているのか【1】ぼくらは、きみを誰と比べているのか

アルゼンチンの氷河の計測にも使われ、医療への応用も開発されているそうです。


そして、次にお話してくださったのは、
佐鳴湖の水質改善に永年取り組まれている、戸田三津夫先生。
素朴で快活で暖かく、とってもわかりやすい語りで、楽しかったです。
ブログ掲載にご快諾をいただきましたので、ご紹介します。
(プロジェクターを撮影した画像がいまいちですが、ご海容ください。)




佐鳴湖は小さいけれど、実は、浜名湖に次ぐ県下2番目の湖なんですって。
それに、静岡県に、ダム湖でない湖は、浜名湖と佐鳴湖だけなんですって。
ご存じでした?

【訂正】静岡県内の自然湖は、伊豆半島の一碧湖もあるそうです。
Wikipedia 日本の湖沼一覧



三方原台地が手の指のように広げている台地の
あいだの谷に流れ込む湧水を、砂州がせき止めてできたのが佐鳴湖。
湧水は2層になっているようだ、とのことでした。



昔は、佐鳴湖の周りは水田と山ばかり。
現在は、佐鳴湖の周りはすべて住宅地。



でもね、国内の湖沼を見てみましょう。
支笏湖、洞爺湖、倶多楽湖、猪苗代湖、十和田湖など、
きれいだ!と言われている湖は、森に囲まれているんです。
周りに住宅街はないのです。




支笏湖には去年行きましたけれど、
苫小牧の市街地から
森の中の一本道を30分ほど車でぶっ飛ばしたところにあり、
周りに住宅地はなかったですね。
お土産屋さんとホテル、温泉だけでした。



国立公園のなかにある湖と佐鳴湖を同列に比べているんですね。。
条件が違いすぎるのに。
佐鳴湖に申し訳ないっ。



佐鳴湖は、「COD値が高い」ことで、2001-2006年に全国ワーストだったのですが、
これは、全国にあるすべての湖のCOD値を測ったわけではないのです。
環境省が測ることにしている湖のなかでは、という数値なんですって。



どんな湖を測っているのか、については、
H24年末に公表された、環境省の
「平成23年度公共用水域水質測定結果について(お知らせ)」の中の
PDFの98ページから掲載されています。
http://www.env.go.jp/water/suiiki/h23/full.pdf
佐鳴湖は100ページに掲載されています。

佐鳴湖は、天竜川のように大きな川が流れ込んでいないので、
流入水量が少ないのが、大きな弱点。

また、水質が短期に激変、というのは、
大雨のたびに湖水が入れ替わるのだそうです。
ハゼ、スズキ、クロダイなど、海水魚が雨のたびに逃げていくのだそう。

そして、周辺住民の大勢は佐鳴湖に無関心だと。(うーむ)

また、佐鳴湖の上流の下水道の整備率は約9割なのだそうですが、
この整備率9割、というのは驚異的な普及率なんだそうです。

富塚町の弥生団地のような、開発された住宅地であれば、
下水道を引かなければいけない立地だけれど、
古くから川に密接した立地のところは、まだ下水道が整備されていない。
ですから、流域人口17万人のうち1割、
つまり1万7千人の下水が流れ込む計算になるのだけれど、
実はそれは、人口密度が低いところ(つまり過疎地域?)と同じ程度なのだそうです。

だから、佐鳴湖には生活排水はほとんど流れ込んでいない、ということですね。

そうですよね。
新川、権現谷川、段子川と歩いて見てみましたが、
佐鳴湖に流れ込む川の水は、どれもきれいでした。
(twilogの9/11をご覧ください。)

段子川は「さわやか」富塚店のそばの橋で、
こんなにきれいな日があるんですよ。
水が澄んで、川底が見えるでしょ?
美しさが写真では表しきれないのがとても残念ですが。


(9/12撮影)

そして、
佐鳴湖に生活排水がほとんど流れ込んでいない現在、
佐鳴湖の汚れはなんなのか?

佐鳴湖がワーストと言われた「COD値」は、
果たして、佐鳴湖を評価するのに適した基準であるのか??


などを、戸田先生がどこまでも淡々と暖かく解説してくださる次回へ続きます。


にほんブログ村 アウトドアブログ バードウォッチングへ
にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 浜松情報へ
にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ



同じカテゴリー(10/24 サイエンスカフェ)の記事

 
この記事へのコメント
私も以前、佐鳴湖の記事を書いたときにCODを調べましたが、CODとは学的酸素要求量で、水に含まれている酸素の量で、有害物質が含まれていると言う意味では有りませんからね^^
佐鳴湖の魚を食べても全く問題ありません^^
Posted by 幻想堂幻想堂 at 2013年11月04日 16:59
幻想堂さま、ありがとうございます!
コメントに気づくのが遅く、大変失礼しました。

佐鳴湖のCODについて書いてくださっている、この記事。
http://gensoudou.hamazo.tv/e4481098.html
学ぶこと大でした。
佐鳴湖の漁師さんが最盛期は200人もいたなんて。
こんな小さな湖なのに。

それに、カゴメ六条麦茶のCODを求めた記事を探し当てまして、ぶっ飛びました(^◇^;)
http://www.exp.org/cod/cod.html
すごく勉強になりました!

昨日の水質検査でも、東京へ一匹6000〜7000円で出荷されている佐鳴湖産の天然うなぎを頂きましたが、よく身が締まっていて、美味しかったです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
Posted by wakaba at 2013年11月17日 12:30
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
【1】ぼくらは、きみを誰と比べているのか
    コメント(2)