【3】だんだん増える段子川

カテゴリー │10/24 サイエンスカフェ

10/24、静大工学部での「サイエンスカフェ in はままつでの、
戸田三津夫先生のお話、盛りだくさんなので
全4連載にしてお送りします。

また、前回、前々回記事とも戸田先生にご覧いただき、
誤りをご教示いただきましたので訂正しました。
どうぞご確認くださいませ。




さて、戸田先生は、かねてから段子川の水の状況を調べておられるのですが、
その調査を支える、安定同位体利用の説明。
淡々と快活で暖かく、とてもわかりやすいお話ぶりなので、
文系どっぷりの頭でも、わかったような安心感に浸ってしまい、
ハタと我にかえるのでした。



山の上で降った雨の水か、
海に近いほうで湧いた水か、だいたい区別できる方法があるそうです。



佐鳴湖流域。
分子が重い水か、軽い水か。
水道水は軽いそうです。
(傾いた写真で失礼します)


佐鳴湖の各河川、
段子川、新川、権現谷川の水の分析値。
新川、権現谷川の水よりも、
段子川の水は分子が重く、重さにかなり幅があるのだそうです。


各河川の流程と安定同位体比。
ピンぼけで申し訳ありません。


そこからわかってきたことは、
段子川は起点では流量も少ないし、
水道水に近い、「分子が軽い水」なのに、
流れていくあいだに流量が増える。
それは、安定同位体の分析からも、
湧水が流れ込んでいる、と言えるのだそうです。


なので、
【3】だんだん増える段子川
段子川がコンクリートの3面張りになっている泉地区も、
和合町の「主婦の店」付近から下流のように、川床は開けるべきでは、
という提案をされたそうです。


「主婦の店」の東側では、自然のままの川底が見えます。
(夕方に撮ったので、やや暗くてごめんなさい。)
【3】だんだん増える段子川

やや下流の、権現谷川との合流点近く、富塚幼稚園付近では、こんな感じ。



川底に穴をあけよう”


そうすれば、佐鳴湖へ流入する水量が少しでも安定して増える、

ということですね。



ピンぼけですけど、標高と湧水地点の関係。


権現谷川起点のそばにも、泉地区にも、湧水ありますね!
昔は、泉地区に「お池」と呼ばれて親しまれた池があって、
東名高速道路が開通したのち、枯れてしまったそうですが、
まだこれだけの湧水があるとは。。
嬉しいかぎりです。

また、不思議だったのは、権現谷川の調査の結果。


権現谷川の上半分の水質は、実はホタルには向いていないようだ、とのことでした。
不思議ですね。
樹々が豊かで水がきれい、っていう印象があるんですが、
ホタルに向いてない水、ってあるんですね。

ですから、権現谷川の下半分の「ホタルの名所」とされているところも、
実はホタルは少ないそうです。

(でも、権現谷川の自然を守ろう、という気持ちから
「ホタルの名所」と指定されたことは間違いありませんよね。)


そして、戸田先生が今年8月に行った実験。


段子川の起点である、小豆餅の藤屋さんから
食塩水を地道に段子川に流し、
下流で採水して塩分濃度を測定し、水量を見積もったとのこと。


実験の結果はこちらです。



この地図の原本はこちらです

さて、起点の藤屋さんの駐車場を借りて朝7時に放流した食塩水、
藤屋さん

段子川と権現谷川との合流点
(つまり、権現谷川の終点)に流れ着いたのは何時だったでしょうか?
段子川は全長5170m。
権現谷川との合流点までは、約4キロくらい?

【3】だんだん増える段子川



大きな地図で見る
(右上手から蛇行して流れてきた段子川に、冨塚幼稚園(向かって右手の建物)のそばで、
左から権現谷川が流れ込むのですが、)


なんと、夜7時ですって。12時間かかるなんて。
途中で溜まって止まるところがあるようだ、とのことでした。
(実験、大変だったでしょうね。
天気を選ばなければいけないし、酷暑で、蚊がいる時期なのに。)


次回最終回も盛りだくさん、佐鳴湖に住む生き物たちについて、などなど。

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